猫の気持ち

猫がおしりのにおいを嗅いで変顔??「フレーメン現象とは?」

ねこ おしり におい

あなたのおうちの猫ちゃんが急におしりのにおいを嗅いで変な顔をしている・・・
そんな光景みたことありませんか?私も初めて見たときはびっくりしちゃいました。
でも今では見かけるたびにやにやしちゃいます。

猫ちゃんはどうしておしりのにおいを嗅ぐのでしょうか?
そしてなぜ嗅いだ後に変な顔をするのでしょうか?

今回は猫ちゃんがおしりのにおいを嗅ぐ理由をご紹介していきたいと思います。

猫がおしりのにおいをかぐ5つの理由

猫がおしりのにおいをかぐ理由1:肛門の周りに臭腺がある

猫は顎の下を物や床などにこすりつけていることがありますよね?
これは猫の顎の下に臭腺というものがあり、
臭腺から出る臭いで、猫は多くの情報を嗅ぎ取っているのです。

実はこの臭腺、顎の下だけでなく、肛門の周りにもあります。

肛門の周りにある臭腺は顎の下にある臭腺よりも強い臭いを出しているため、
猫はおしりのにおいをかぐことによって、相手の情報を詳しく知ることができます。

猫がおしりのにおいをかぐ理由2:匂いから猫の体調やコンディションがわかる

猫は肛門の周りに臭腺があり、その臭腺からの臭いによって、コンディションが良い状態か・悪い状態かが分かります。猫同士がお尻の臭腺のにおいを嗅ぎ合う行動は、お互いにコミュニケーションをとっていることになります。

これは人でいうと、相手の顔色や表情を見て、体調が良さそう、体調が悪そうと判断するようなものです。お尻のにおいを嗅がせるという行動は、無防備な状態になるため、相手を警戒することなく、安心していることの証拠でもあります。

猫がおしりのにおいをかぐ理由3:住みかがわかる

猫は嗅覚が優れていて、臭いによっていろいろなことを判断したり、意思表示をしたりなどします。

家猫の場合は、顎の下や肛門周りにある臭腺からの臭いを家のあちこちにこすりつけて、自分の場所であるとアピールをします。

野良猫の場合も、縄張りなどに自分の臭いをつけてマーキングします。そのため、野良猫であれば、相手のおしりのにおいをかぐことで、どこに縄張りを持っている猫なのか、どの辺りに住んでいる猫なのかを判断しています。

猫がおしりのにおいをかぐ理由4:挨拶をしている

猫が他の猫のおしりのにおいを嗅いでいる場合は、相手の多くの情報を確認している状態です。見知らぬ猫や仲の悪い猫に対して情報を与えてしまうと、体調不良がバレて喧嘩が不利になってしまったり、縄張りの場所が知られてしまうなどのリスクが発生します。

そのため、猫は信頼できる相手でなければおしりのにおいを嗅がせたりすることはありません。おしりのにおいを嗅がせるということは、それだけ信頼できる仲の良い証拠であり、挨拶に近いコミュニケーションをしているようなものです。

猫がおしりのにおいをかぐ理由5:初対面なので警戒して情報収集をしている

初対面や仲の悪い猫であれば、簡単におしりのにおいを嗅がせるわけにはいきません。しかし、相手のことを知るためにはおしりのにおいをかぐ必要があります。

そのため、おしりのにおいをかぐタイミングをうかがって、猫がお互いの周りをぐるぐると回ったりすることもあります。

おしりのにおいを嗅いで変顔??「フレーメン現象とは?」


猫がおしりのにおいをかぐときに、口を半開きにして、「臭っせ~!」と言わんばかりの変な顔のまま、しばらく動かなくなってしまうことがあります。

これはにおいが臭くて放心状態になっているわけではなく、フェロモンやマタタビを嗅いだときの症状でフレーメン現象と言われています。フレーメン現象は、猫が嗅いだ臭いを上あごにある嗅覚器官で情報分析を行っている状態です。

「フレーメン現象」のメカニズム1:フェロモンを嗅ぎ取っている

猫は上あごにある嗅覚器官で臭いの情報を分析しており、その嗅覚器官はフェロモンを嗅ぎ分けることができると言われています。

また、フェロモンは通常の食べ物などの臭いとは違い、分子が非常に細かいです。猫はその嗅ぎ分けることが難しいフェロモンを嗅ぎ分けるために、フレーメン反応が起こります。

「フレーメン現象」のメカニズム2:匂いを判別中

フレーメン反応が起こっているときの猫は、臭いの情報分析に集中しています。
そのため、いつもは俊敏な猫でも動きが止まってしまいます。

また、動きが止まっている間に、目や口が半開きになったりと変顔のような状態になることがあります。その表情はユニークで、可愛らしい生理反応としてフレーメン反応中の猫の表情が好きという猫好きもいます。かくいう私も、この現象で変な顔になっている我が家のちょこを見て夫婦でいつも盛り上がっています(笑)

「フレーメン現象」のメカニズム3:もっと多くの匂いを取り込むため

猫はフェロモンを嗅ぎ分けるためなどにフレーメン反応を起こします。

先に述べた通り、フェロモンの分子は非常に細かいため鼻だけでは情報分析に必要な量の分子が取り込めなかったり、正確な分析ができないこともあります。

そのため、鼻からだけでなく、口からもフェロモンの分子を取り込もうとするため、フレーメン反応中は口が半開きとなってしまうのです。

まとめ

このように、猫のフレーメン現象にはいろいろな理由があったのです。

猫がふとした瞬間に見せる、あの変顔。とても可愛らしくて思わずクスッとなっちゃいますよね。あの変顔がみたくて、わざと自分の足の臭いを嗅がせてみたりする人もたぶん多いのではないでしょうか。

フレーメン現象のように、猫の見せるふとした仕草や表情にはさまざまな意味が隠れています。いつもより猫を注意深く観察したり、一緒に遊んであげたりすることで、今までとは違った猫の一面と出会えるかもしれませんね!